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肩が動きにくいのは何のせい?

 

 この度、台風15号により被災されました皆様におかれましては、

停電や断水、倒木や倒壊などによって日常生活もままならず、

身体的な疲労は勿論、精神的な疲労も抱えられていらっしゃる事かと思います。

なんのお力にもなれませんが、

少しでも、1日も早い復旧、復興を、

心よりお祈り申し上げます。

 

 

 

9月も後半に入り、夜は涼しい風が吹いていることが多くなってきたこの頃ですが

皆様いかがお過ごしでしょうか。

過ごしやすくなってきた半面、自分は夏が好きなので、

ちょっと寂しいなーと思っている今日この頃です。

加えて、天気も不安定な日が多いような気がします。

お出かけ先でも、夕方

以降急に冷える日も出てくるかと思いますので、

皆様くれぐれも体調にはお気をつけてお過ごしくださいね。

 

 

そんな、急に冷えてくる時期になると、昔怪我したところや、こってるなあ・・・と感じていたところに

違和感を感じてくる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そんな疲れを感じやすい部位の代表格である、『肩の違和感』について

今回はちょっと掘り下げてみたいと思います。

 

 

『肩』・・・

外から見ると、首の斜め下あたりに、体と腕をつなぎ合わせてその動きを生むために存在しているそのあたり・・

といった印象で、よく言う『肩関節』によって動きが生まれている部位です。

 

 

〇で囲んである部分が『肩関節』になりますが、

この肩関節は、細かくみていくと、

「肩甲上腕関節」「肩鎖関節」「胸鎖関節」といった、関節の複合体の事を指しています。

これらの関節は、筋肉や靭帯で安定性を補われています。

なので、単純にこれらの筋群が硬くなってしまっていれば、肩は動きずらくなり、

動かす為により一層の筋力が必要となり、他筋肉の動員が生まれ、

他筋群を動かしやすくするために体のゆがみが生まれ・・・・

といったような、肩関節自体の硬縮がきっかけでいろいろなことが起きてくることが予測できます。

 

 

プラスして、肩を動かすと、大きく一緒に動いている骨があります。

背部にあるのでわかりずらいのですが、いろいろな悩みの話題の中心に上がってくる「肩甲骨」です。

この肩甲骨には多数の筋肉や靭帯が付着しています。

今回はこの《肩甲骨》に注目して、皆様にも少しなじみがあると思われる代表的な筋肉を2つご紹介します。

 

《前鋸筋》


脇の下、肋骨と肩甲骨に付着しています。

 

前鋸筋の働きは、腕を上にあげるときに肩甲骨を上方に回旋させたり、

肩甲骨を胸壁(肺より外側の構造・組織のこと)近くに保持する働きがあります。

猫背や前肩が気になる方は、この筋肉が硬くなってしまっていることが多く見られる傾向を感じます。

となると、前鋸筋は肩甲骨の動きに大きく携わっているので、

硬くなってしまう事により、肩甲骨の動きを妨げる可能性が出てきます。

 

もう一つご紹介するのは、《肩甲挙筋》です。

 

この部分や周囲が慢性的にずーんと重だるーく感じることがあったり、

最近首が動かしずらいとか、美容室やもみほぐし屋さんで

 

「〇〇さん!硬いですねーΣ(・ω・ノ)ノ!!頭痛とか大丈夫ですか?!指が折れそうだわ(゚Д゚;)!」

 

なんて言われてしまう方も少なくないのではないでしょうか・・・

 

ですが、上の模型図の青い部分の筋肉が肩甲挙筋ですが、実はこの筋は深い所に存在しているので

美容師さん達に、「かたいな~」と思われている筋肉は、肩甲挙筋の上に存在する「僧帽筋」の事だったりします。

 

 

模型図の〇で囲んだところが肩甲挙筋の付着部になるのですが、

見て頂いた通り、下の〇印部分で肩甲骨に付着しているので肩甲骨に影響を与える筋です。

しかも、肩甲骨を内側及び上方に挙上するという、とても大切な役割を担っています。

そして上方の丸印は首(頸椎)に付着しています。

その為、筋肉の働きとしては肩甲骨への働きかけが主でありながら、

首の動きにも影響を及ぼす筋でもあるわけです(-ω-)/

肩甲挙筋が硬くなってしまうだけでも、肩甲骨にも首にも影響が出る事が考えられます。

 

 

ここまで読んで頂いただけでも、なんとなく感じられているかと思うのですが、

例えば、あまり腕を上にあげて体の脇(体側)を伸ばしたりすることが少なくなっている中、

朝起きて、久しぶりに腕を上にあげて体を横に倒そうとしたときに・・・

 

「あれ・・・?なんか腕があげずらい(;・∀・)?・・・。・・・あれ!昔より横に倒れない(゚Д゚;)!!」

 

そんな感覚を感じられたことがある方も少なくないのではないでしょうか。

腕を上にあげるという動きは、肩関節が動かすので肩甲骨が一緒に動かなくてはいけませんが、

腕を上にあげるという動きは、肩甲骨を上方に回旋させなければいけない為、

前述したように、肩甲骨を上方に回旋させる働きを持つ前鋸筋が硬くなってしまい、

可動域が狭くなってしまっていると、腕を上にあげるという動きには制限がかかってしまう事が想像して頂けるかと思います。

 

肩甲骨の可動範囲に制限が生まれるということは、要領よく動かせるポジションを探して、

姿勢や肩甲骨の位置等に影響が出てくることも考えられますし、肩甲骨に付着しているほかの筋肉にも当然影響は出てきます。

もう一つ例に挙げた肩甲挙筋は、肩甲骨と頸椎(首の骨)に付着していますから、

肩を動かすと首の後ろあたりが引っ張られるとか、首の動きが悪くなったように感じることがあっても

不思議な事ではなくなってきます。

 

 

沢山のお客様のお身体に携わらせて頂く中で、人の身体のすごいなあと特に感じるところは、

どこか調子が悪くなってしまったところを、何とか要領よく動けるように全身で帳尻を合わせて

体の動きを作り上げていくところにすごさを感じます。

 

でも、逆に言えば、もともと、本当に調子が悪かったところが見えなくなってしまうということでもあるんじゃないかと

感じています。

 

運動をしていたら、ストレッチをしていたら。

必ずしもそういった体の不調を防げるというわけではありませんが、

日常生活の中では決まりがちな動作パターンや、

使ってばかりの筋肉、使ってない筋肉といった、動作や筋肉のアンバランスを予防するためにも

休憩時間に身体を伸ばしたり、ちょっと体操的なものを日常に組み込んだりしてみてもいいのではと思います(・∀・)。

 

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